龍馬が旅立ち、唐人お吉が眠る場所 宝福寺 

      2017/03/10

宝福寺静岡県下田市 八幡山宝福寺
下田はドラマチックな歴史が残る寺院や場所が多いですが、宝福寺もそのひとつ。

スポンサーリンク

龍馬、宝福寺で脱藩の罪が許される

坂本龍馬江戸へ向かう途中、時化で下田港に避難した勝海舟と土佐藩から脱藩し指名手配中の坂本龍馬。
時を同じく宝福寺に滞在していた第15代土佐藩主山内容堂は酒席に招きたいと勝海舟を宝福寺へ呼びます。その時勝海舟は坂本龍馬の脱藩の罪を解き、その身を自分に預けてほしいと懇願します。
山内容堂は勝海舟がお酒を飲めないのを承知で「この酒を飲み干せ」と言います。勝海舟はためらうことなく大きな杯のお酒を飲み干しました。飲めない海舟がお酒を飲んだことにはしゃしでいた容堂を冷静に見ていた海舟は、明日の朝になれば大酒家の容堂は赦免のことなど覚えていないかもしれない。海舟は赦免の証に容堂の持っているひょうたんを頂きたい」と願い出ます。すると容堂はひょうたんは大好きな酒を入れるもの、これだけはやることはできないと白扇を取り出し、ひょうたんを描き「歳酔三百六十回、鯨海酔候(一年中酔っ払ってる 鯨のいる海-土佐 の殿様)」と証明して渡したとのことです。

第15代土佐藩主山内容堂白扇

龍馬、脱藩赦免の証
第15代土佐藩主山内容堂白扇のレプリカ

坂竜飛騰

下田 宝福寺はまさに坂竜飛騰の地。
赦免された坂本龍馬は下田宝福寺から激動の時代、そして激動の人生を駆け抜けて行ったのですね。

宝福寺

宝福寺に立つ龍馬の木像は
NHK大河ドラマ龍馬伝の時に寄贈されたものだそうです。

唐人お吉 斎藤きちの人生

お吉唐人お吉 本名は斎藤きち。
17歳の時、法外・莫大な年俸と引き替えにアメリカ総領事タウンゼントハリスのもとへ待妾として奉公にあがることとなります。この時お吉には恋人鶴松がいましたがお役人達の様々な目論見で鶴松とは引き裂かれてしまいました。ところがお吉には鶴松という恋人がいることがハリスの知るところとなり、お吉はわずか3日で暇を与えられてしまいます。お吉はハリスと夜を共にすることはありませんでしたが、その後のお吉に対する世間の目は冷たく非情なものでした。らしゃめん、唐人お吉などと子供達からも蔑まれ、手切れ金を受け取った後、お吉の転々とする生活が始まります。

宝福寺のホームページにお吉の年表があるの年譜があるのでそれに沿って記述します。
傷ついたお吉は生まれ故郷の知多半島にも帰りますがどこかから噂が漏れ聞こえていたのでしょう。状況は同じ。生まれ育った場所に癒しを求めたのに、返ってきたのは癒しではなく蔑視。さぞかし辛かったことと思います。

  • お吉22歳 再び芸子となります。
  • お吉28歳 横浜で鶴松と再会し同棲
  • お吉31歳 鶴松と共に下田に戻り、髪結い業を営む。夫婦仲悪し
  • お吉36歳 鶴松と別れ三再芸子になり、三島の金本楼に住む
  • お吉38歳 再び下田に帰り、再び髪結い業。その傍ら宴席に出る。
  • お吉42歳 安里良の船主・亀吉の後援で料亭・安直楼を開く
  • お吉44歳 安直楼廃業
  • お吉49歳 乞食の群れに入る
  • お吉51歳 門栗ヶ淵に投身

晩年のお吉の生活は相当に荒んだものであったことが想像できます。
生活だけではなく心もかなり荒んでいたのでしょう。44歳の時の安直楼廃業の原因は、これほど年数が経っても心ない人から罵声を受けることもあり、またお吉の長年お酒に溺れていたことも要因だったのかもしれませんね。でも…

お吉は自尊心の強い女性だった?

宝福寺横のお吉記念館にこんな文章があります。

明治二十二年 一七人の浮浪者の一人となる。安直楼の頃お吉に救われた大國丸の亀吉が白米一俵を乞食扱いにして施した。その無礼を悲しみ怒り米を路傍に投げる 筆者静観

これを見ると本当にプライドが高く、そしてお酒が大好きな強い女性だったのだと思います。
ここまで落ちても無礼な施しを受けることは許せなかったのでしょうね。
ならばやはり本当に投身自殺だったか、という疑問が湧いてきます。
このプライド、そして強さでここまで生き抜いてきた人が世を儚んで投身するとは思えないのです。
お吉記念館で資料を見ていると、酔ったお吉が大雨で濁流と化した川に足を取られ「死んでたまるかー!」と叫んでいるお吉の姿が浮かんでくるような気がします。これは私感(笑)

唐人お吉記念館

お吉お墓宝福寺唐人お吉記念館の一角にお吉が眠るお墓があります。
誰も引き取り手のないお吉はの遺体は河原に3日間放置され、あまりにも哀れに思った宝福寺の当時のご住職が質素なお墓に埋葬したところ、そのご住職まで非難の対象となり町から町から追い出されてしまったそうです。
今あるイジメの構造は昔から変わっていないんだ、と痛感しますね。
唐人お吉のお墓今はのちに唐人お吉を演じた女優水谷八重子さんとその監督が寄贈した立派なお墓の下にお吉の遺骨は眠っています。

歴史の中で翻弄され続け一生を終えたお吉と、歴史駆け抜けるべくここから旅立った坂本龍馬、
宝徳寺、そして唐人お吉記念館はこのお二人と歴史に接することができます。

宝福寺唐人お吉記念館
静岡県下田市一丁目18−26

 - 伊豆のパワースポット, 伊豆の見どころ, 東伊豆エリア , , , , ,