【ちーこ&蒼井スピンオフ:波除神社編(ダブルストーリー長編)】

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【第一部:ビジネスアフターフォロー編】

『潮風と黒檜の陰影——4Kが捉える波除の気魄』

第一章:都営バス『みんくる』の機動力と、動画の狙い

波除神社、拝殿前、チーコと蒼井
波除神社、拝殿前、チーコと蒼井

「……おいちーこ、ヤヨイさんの『波除神社』の初稿、読んだか?」

『チームケロ』の編集部。深夜のオフィスでデュアルモニターのタイムラインと向き合っていたチーフプロデューサー兼映像クリエイターの蒼井は、黒縁メガネの位置を直しながら言った。

「読んだよ! 荒波を鎮めた稲荷大神の伝説と、厄除天井獅子に納める願い串でしょ? 築地の歴史と神社の重厚感がガツンと伝わってくる最高の原稿だった!」

そう言いながら、愛機のミラーレス一眼のセンサークリーニングを終えたばかりのカメラマン・ちーこが、蒼井のデスクの横にちょこんと座った。

「そうだ。だが、あの巨大な黒檜の獅子頭の陰影や、食の街・築地が捧げてきた供養碑の木目・石肌の質感は、動画でしか表現できない立体感がある。都営バスの混雑回避ルートも含めて、シネマティックVlogに仕立て上げれば、チームケロの動画事業として確実に視聴者の心を掴める」

蒼井は絵コンテを指先でタップし、不敵に笑った。

「明日は『築地六丁目』のバス停から機材を搬入するぞ。人波に揉まれず、最短距離で波除神社の神気に迫る。準備しろ」

「ラジャー! 蒼井さんのシネマティックカラーに負けない、鳥肌モノのカット撮ってくるね!」

第二章:120fpsの獅子頭と、食の供養碑のシネマティクス

波除神社、獅子殿、チーコと蒼井
波除神社、獅子殿、チーコと蒼井

翌日、晴れ渡る築地。緑と白の都営バス『みんくる』を「築地六丁目」で降りた二人は、重いジンバルとカメラバッグを抱え、波除神社の鳥居をくぐった。

「ちーこ、まずは獅子殿の『厄除天井獅子』だ。樹齢三百年の黒檜の木目をマクロレンズで舐めるようにパンしろ。シャドウを深く締めて、獅子の威厳を際立たせるぞ」

「了解! 120fpsのスローモーションで、木漏れ日の差し込む角度に合わせて滑らかにドリーするね!」

ちーこは膝を深く折り、ミリ単位でジンバルをコントロールしながら、巨大な獅子頭の気魄をカメラに収めていく。続いて弁財天社のお歯黒獅子、そして参道脇に佇む「すし塚」「玉子塚」「海老塚」などの食の供養碑へ。

「食の命に感謝を捧げてきた築地の魂……この陰影を4Kの解像度で残す。いいぞちーこ、光の捉え方が完璧だ」

「えへへ、蒼井さんの絵コンテが分かりやすいからだよ!」

プロとしての阿吽の呼吸で撮影を終えた二人は、波除神社のベンチで映像素材をプレビューした。

「よし、完璧な画が揃ったな。佐久間たちのテキストにこのシネマティック映像が加われば、波除神社の魅力は完璧に伝わる」

「うん! チームケロの動画、どんどん進化してるね!」

二人は満足そうに頷き合い、プロとしての確かな手応えを胸に刻んだのだった。

【第二部:完全プライベートデート編】

『築地のマナーと、本願寺カフェTsumugiの約束』

第一章:ちーこのおねだりと、朝カフェの壁

波除神社、拝殿前、チーコと蒼井
波除神社、拝殿前、チーコと蒼井

「ねぇぇぇ〜〜〜っ! 蒼井さん! 今週末は築地! 波除神社でお参りして、築地本願寺のカフェ『Tsumugi』に行きたいの〜っ!」

ビジネス撮影の数日後。打ち合わせスペースで、私服のサロペット姿のちーこが蒼井のシャツの袖を引っ張っていた。

「おい、また袖を引っ張るな。……Tsumugiって、あの『18品の朝ごはん』で有名なところか? あれ、予約開始と同時に一瞬で埋まる超激戦だぞ。今からじゃ絶対に予約取れない」

「うぐっ……知ってるよぉ。何回ポチポチしても満席だったもん……。でも! 朝ごはんは無理でも、お昼過ぎのカフェタイムなら並べば入れるじゃん! 和スイーツ食べたいし、波除神社も私服でゆっくりお参りしたいんだもん! 蒼井さんと二人で行きたいの!」

「……っ。和スイーツに釣られてるだけだろ……」

「スイーツだけじゃないもん! 蒼井さんとデートしたいんだもん! 一緒に行ってくれないなら、蒼井さんの編集用マウスの感度、一番遅く設定しちゃうからね!」

「編集効率が死ぬだろ! ……ハァ、分かったよ、行くよ。ただし! 築地場外市場は歩き食べ禁止のマナーがあるからな。ちゃんとお店のイートインで食べるんだぞ」

「やったぁぁぁ! 蒼井さん大好き! マナーもしっかり守るからね!」

第二章:店前イートインの玉子焼きと、波乗守の不意打ち

波除神社、弁財天社、チーコと蒼井
波除神社、弁財天社、チーコと蒼井

土曜日。澄み渡る青空のもと、私服に身を包んだ二人は築地場外市場へ。 観光客で賑わう通りを進み、まずは行列のできる老舗玉子焼き店へ。

「歩き食べはNGだから、お店の前のイートインスペースで食べようね!」

「ああ、偉いな。……ほら、焼きたてのアツアツだぞ」

湯気立つ串刺しの玉子焼きを、ちーこがふーふーと冷ましながら口に運ぶ。

「んん〜っ! お出汁がじゅわ〜って広がって甘くてフワフワ! 蒼井さんも一口食べてみて!」

「はいはい……(パクッ)……美味いな。出汁がしっかり効いてる」

イートインで美味しく完食した二人は、ゴミを専用のゴミ箱へきちんと分別し、波除神社の境内へ。本殿で手を合わせ、獅子殿とお歯黒獅子を参拝する。

境内の木陰に佇んだとき、蒼井は授与所で買い求めていた、波模様が勇壮な『波乗守(なみのりまもり)』を取り出した。

「ほら、ちーこ」

蒼井はそのお守りをちーこの小さな手のひらにぽんと乗せると、そのまま彼女の手ごと、自身の大きな手で包み込んだ。

「あ……蒼井さん……?」

「お前、最近新しい動画の企画や撮影で色々悩んでただろ。……どんな荒波が来ても、俺が隣にいるから全部乗り越えられる。この波乗守みたいに、俺と一緒に高い波に乗って進もうぜ」

「〜〜〜〜っっっ!!??!?」

不意打ちすぎる蒼井の男前な言葉と手温に、ちーこの顔が一瞬で真っ赤に染まった。

「な、なんで急にそんな格好いいこと言うの……っ!? 胸がドッキュンって鳴って、心臓飛び出るかと思ったじゃん!」

「本当のこと言っただけだろ……(照れ隠しに頭をガシガシかく蒼井)。ほら、赤くなってないで築地本願寺行くぞ。Tsumugiでパフェ食うんだろ」

「もうっ! 蒼井さんのツンデレ! でも……すっごく嬉しい……っ!」

ちーこは真っ赤な顔のまま、歩き出した蒼井のシャツの裾をぎゅっと掴み、幸せそうにその背中に着いて行った。

第三章:築地本願寺カフェ『Tsumugi』と、未来への約束

丸の内_Privateチーコと蒼井
丸の内_Privateチーコと蒼井

波除神社から歩くこと数分。古代インド様式の壮麗な石造建築が青空に映える「築地本願寺」の境内へ。 二人は境内に併設された大人気の『築地本願寺カフェ Tsumugi』へ入り、ガラス越しに本堂の美しい建築美を望む席へ腰掛けた。

運ばれてきたのは、濃厚な抹茶パフェと、香ばしい和紅茶。

「はぁ〜っ……! 築地本願寺様の壮麗な建物を眺めながらいただく抹茶パフェ、なんて美味しくて贅沢な空間なのかしら……っ!」

「ああ。朝の18品の朝ごはんは予約取れなかったけど、このカフェタイムも落ち着いてて最高だな」

ちーこはパフェを頬張りながら、目を輝かせて蒼井を見つめた。

「ねえ蒼井さん! 今の『東京福めぐり』の連載企画がひと段落したら……次は『築地本願寺』と浅草の『東本願寺』の参詣・取材企画も進行する予定でしょ?」

「ああ。佐久間たちもその構想を練ってるな」

「その取材のときはさ! 絶対に予約開始の瞬間にアクセスして、超激戦の『18品の朝ごはん』の予約、絶対に勝ち取ろうね! そして朝カフェリベンジして、本堂にお参りしよう!」

ちーこの眩しい笑顔に、蒼井は思わず吹き出し、優しく目を細めた。

「ああ、約束だ。俺の通信環境と反射神経なら、次こそ確実に予約を勝ち取ってやる。その取材の朝は、二人でここで18品の朝ごはんを食おう」

「やったぁぁぁ! 約束だからね、蒼井さん!」

蒼井はテーブルの下でちーこの温かい手をそっと握り直した。

「仕事でもプライベートでも……これからもずっと、お前と一緒に美味いもん食って、最高の景色を見に行くぞ」

「うんっ! 蒼井さんと一緒なら、どんな波だって笑顔で乗り越えられるよ!」

築地本願寺の美しい石畳を渡る爽やかな潮風と、カフェに流れる穏やかな時間。 波除神社の波乗守と、未来へ交わした朝カフェの約束に見守られた二人の絆は、仕事でもプライベートでも決して離れることのない強さで結ばれ、チームケロの次なる旅路へ向かって、どこまでも明るく走り出していくのだった!