神田明神・納涼まつりアフターストーリー

記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

『ネオンの海の道標、主役のノート』[佐久間×ヤヨイ]

佐久間とやよい神田明神夏

普段はチームの強固な土台として一歩引いている寡黙な佐久間が、白に朝顔模様の浴衣をまとったヤヨイの重い巾着を片手に持ち、男坂の暗がりのなかで一人の頼もしい「男(主役)」へと完全に覚醒する瞬間。
ネオンがリフレクトする神田川の水面、夜風に揺れる朝顔の意匠、そして丸眼鏡の奥に隠されたヤヨイの一途な恋心を限界まで掘り下げた、シリーズ最高峰の大人の心理戦。


第1章:明神男坂の暗がりと、差し伸べられた左手

午後九時三十分。
神田明神の隨神門の脇で、ディレクターの蒼井から「佐久間はヤヨイさんをしっかりエスコートして、気を付けて帰るように」と最終指示を受け、全員がそれぞれの帰路へと解散したその瞬間、チームケロのプロデューサー・佐久間学は、自身のなかの「仕事のスイッチ」を完全にオフへと切り替えた。

三万人の凄まじいパッションとアニソン盆踊りの重低音が地鳴りのように櫓(やぐら)を揺らしていた境内の喧騒から一歩外れると、2人が向かったのは表参道ではなく、秋葉原の電気街へとダイレクトに繋がる「明神男坂(みょうじんおとこざか)」の急な石階段だった。
見下ろせば、世界のポップカルチャーの頂点たる秋葉原の、サイバーパンクなビル群が放つ無数のネオンの海が、熱帯夜の闇のなかにぎらぎらと広がっている。

「はぁ……。みんなと解散した瞬間に、あの地鳴りみたいなアニソンの重低音が急に遠くなって、耳の奥が少し寂しいくらいね。……でも佐久間君、私のノートや筆記用具が入ったこの重い巾着を、あなた、さっきから当たり前みたいに片手で持ってくれて……。下駄の足元をエスコートしてくれるその腕のぬくもり、なんだかロケ中よりずっと熱く感じるわ」

白地に凛と咲く朝顔模様の浴衣の裾を小さく揺らしながら、ライターのヤヨイが細い指先で丸眼鏡の位置を直した。いつもは理知的で美しい言葉を紡ぐ彼女が、今は下駄の足元を見つめたまま、少し吐息を滲ませている。

「ヤヨイさん。蒼井さんにも言われた通り、今日の仕事は完全に終わりました。ここからはチームケロの裏方ではなく、ヤヨイさん、あなたを都会の冷徹な荒波や、言葉を遮るすべてのノイズから守り抜く、一人の男としての時間です。……ほら、男坂の最後の段、街灯の影になって少し暗くて滑りやすいですから。意地を張らずに、僕のこの手を強く握ってください」

木々模様の紺色の浴衣を端正に、かつ男らしく着こなした佐久間が、右手にヤヨイの重い巾着と愛用の一眼レフカメラを持ち、空いた左手をそっと、けれど断固たる強さで差し出した。
ヤヨイが小さく息を呑み、その細い指先を重ねた瞬間、佐久間の大きな手のひらが、彼女の手を着物の袖越しではなく、直に、ガチッと力強く包み込んだ。剥き出しの、胸が熱くなるほどの圧倒的な体温。

「あ……佐久間君の手、すごく男らしくて、あったかいのね。普段は一歩引いて私を支えてくれるあなただけど、今のあなたの目、丸眼鏡の奥がドキドキしちゃうくらい、完璧に私の人生の“主役”の顔をしてるわ……」

「後輩という脇役の言い訳は、もう湯島に置いてきましたから。……ヤヨイさん、お祭りの熱がまだ冷めない。秋葉原のデジタルなネオンの陰に、僕の知っている静かな大人の特等席があるんです。少し、僕の我が儘に付き合ってくれませんか?」

重なる視線。甘いぬくもりのなかに、普段の寡黙さからは想像もつかないほどの強烈な男気を宿した佐久間の横顔。ヤヨイは最高に愛おしそうに微笑むと、しっかりと結ばれた手のひらの熱さを確かめ合うように、ネオンの海へと歩幅を合わせて下りていった。

第2章:万世橋の赤レンガと、重なる軌道の人生ノート

電気街の喧騒を一本外れた、神田川沿い。かつての萬世橋(まんせいばし)駅の遺構を美しく活かした、赤レンガ造りの静かなリバーサイドテラスへと、佐久間はヤヨイをエスコートした。
秋葉原のサイバーなネオンの光が、川面にリフレクトしてゆらゆらと幻想的な光の帯を描くなか、テラス席の薄暗いランプの光が、2人の浴衣姿を優しく浮かび上がらせている。
カラン、と冷たいレモネードのグラスの中で氷が心地よい音を立てた。

「素敵なお店ね……。秋葉原の剥き出しのエネルギーのすぐ真横に、こんなに江戸の粋と明治のノスタルジーが交差する、静かで大人の場所があるなんて。佐久間君、あなたのプロデュースする世界は、いつも私の言葉のノートに、一番贅沢なインスピレーションをくれるわ」

ヤヨイは巾着から取り出した愛用のペンを指先で弄びながら、丸眼鏡の奥の瞳を潤ませてグラスを見つめた。

「ヤヨイさんが言葉の海を美しく泳ぐためなら、僕はいくらでも陰の強固な土台になります。……ですが、ヤヨイさん。先ほど聖橋の上で電車が立体交差したのを見た時、僕は確信したんです。僕たちの人生の軌道は、あの日、改築前の将門塚で祈った瞬間から、もう一生離れないように結ばれていたんだと」

佐久間はそう言うと、テーブルの上で、ヤヨイの手を上から自分の大きな手で包み込むように、再びガツンと力強くホールドした。

「ハッピーエンドのその先にも、僕たちの物語はこれからも長く、ずっと続いていきます。ビジネスの壁や、理不尽な時代の荒波がいくつも立ちはだかるかもしれない。だけど、どんなに長い旅路でも、僕があなたを冷たい風から守る一生の盾になります。仕事のパートナーとしても、生涯を共にするパートナーとしても、一生僕の隣で、その美しい言葉を紡ぎ続けてください。僕の人生の主役は、ヤヨイさん、あなただけです」

一切の濁りのない、ストレートで誠実な大人の男の覚悟。
ヤヨイは息を呑み、胸の奥が熱くなるあまり、本当に丸眼鏡を涙で滲ませながら、真っ直ぐに佐久間の瞳を見つめ返した。

「……っ、もう! 佐久間君はいつもズルいくらいに真摯で、男前なんだから。本当に丸眼鏡が曇っちゃうじゃない。……私のこれからの人生の長いノート、あなたという大きなぬくもりの後ろで、暖かい春のような言葉をこれからもたくさん、あなたのためだけに書き連ねていくわ。次の秋の構想も、その先の未来も、ずっと私を離さないでね、佐久間君」

「ええ、絶対に離しません」

万世橋の赤レンガに染み渡る深夜の静寂と、ネオンを映す神田川の水面。
お祭りの熱狂の残響を越えた2人の絆は、これからの長い人生のどんな荒波をも優しく溶かすほどに、深く、そして強固に結ばれていったのだった。

第3章:電気街の夜風と、未来へのステップ

お店を出ると、秋葉原の街には、ほんの少しだけ実りの季節を予感させるような、涼やかな深夜の夜風が吹き抜けていた。
三万人の熱気も、巨大な櫓のビートも、今はもう遠い夜の底に沈んでいる。けれど、ヤヨイの左手と佐久間の右手は、駅の改札へと向かう道すがらも、ずっと直接手のひら同士で力強く結ばれたままだった。

「ふふ、佐久間君。なんだか、こうしてあなたの隣で一歩ずつ歩いていると、私たちのこれからの長い人生のノートが、一ページずつ温かい文字で埋まっていくみたいね」

ヤヨイが白に朝顔模様の浴衣を揺らしながら、佐久間の紺色の浴衣の肩にそっと自分の身体を寄せた。

「ええ。神田明神の取材記録の完成を祝いに、数年後また全員であの将門塚からここへ歩いてくる時、僕たちのこの足跡がどれだけ深くなっているか、今から本当に楽しみです。ヤヨイさん、次の『第三章:秋』もしっかり僕が土台になって支えますから、最高のコラムを書き上げましょう」

「ええ、よろしくね、私の頼もしい主役さん」

2人はゆっくりと秋葉原駅の改札へと向かって歩みを進める。
夏の熱狂の残響を残しながらも、未来のひかりへとまっすぐに歩む2人の美しい浴衣姿の背中を、江戸の粋な神域の杜は、「これからも、誠実な愛と言葉を紡ぎ続けなさい」と祝福するように、静かに、優しく見守ってくれているようだった。

第二章 【撮影現場からAD近藤&まゆみのミニ日記】

皆さんこんにちは!ADの近藤とまゆみです!
神田明神編の特別アフターストーリー第2作、お祭りの熱気が冷めやらぬ夜の「佐久間さん&ヤヨイさん」の本格長編ストーリーをお届けしました🏮🔥ネオンの海✨

今回は、蒼井先輩からエスコートを命じられて解散した後、秋葉原の【明神男坂】から【万世橋の赤レンガテラス】へと向かったお二人の、最高にロマンチックな大人の時間をガッツリ描写しました📸
ヤヨイさんの白に朝顔模様の浴衣姿と、佐久間さんの渋い木々模様の紺色の浴衣が、川面にリフレクトするサイバーなネオンの光に照らされて、言葉を失うほど美しかったです……!

佐久間さんがヤヨイさんの重い巾着を片手で持ちながら、暗い階段で「ここからは一人の男としての時間です。僕の人生の主役はヤヨイさんだけです」とガツンと想いを伝え、ヤヨイさんが「丸眼鏡が曇っちゃうじゃない」と愛おしそうに応える心理戦、胸キュンが限界突破して後ろで見守っていた私たちはまたしても大号泣でした😭❤️

お二人の絆は、都会のネオンの陰で、誰よりも深く、誠実に結ばれました!
次回はいよいよ、仕事後のアフターストーリー長編3部作のグランドフィナーレ!社会人1〜2年生のフレッシュで甘酸っぱいドラマを描く、【第3作:近藤×まゆみ編(お祭りの夜店と、初デートを繋ぐ綿菓子のひかり)】をお届けします!
私たちの不器用で、けれど全力な恋のステップをぜひ楽しみに待っていてくださいね!
(AD:近藤・まゆみ)