飯倉熊野神社・長編ストーリー【TeamKero現代編】

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第八章 試合の日

一週間後。

チームケロ六人はサッカー場にいた。

「取材です」

チーコは言った。

蒼井が答える。

「半分は応援だろう」

「両方」

ケロは現地に来なかった。

代わりにメッセージが届いた。

《取材目的を忘れないこと》

その直後。

《勝ってください》

「応援してる」

近藤君が笑った。

試合開始。

悠斗はベンチ。

前半。

相手に先制される。

後半十五分。

高瀬のチームが同点に追いつく。

残り十分。

先発フォワードが足をつった。

監督がベンチを見る。

悠斗の名前が呼ばれた。

チーコが立ち上がる。

「出る!」

蒼井が袖を引く。

「座れ」

「だって!」

「観客席で目立つな」

悠斗がピッチに入った。

胸元には何もついていない。

サッカー御守は、バッグの中。

古い牛王神符は、今日持ってきていなかった。

試合終了間際。

悠斗にチャンスが来る。

ゴール前。

一対一。

シュート。

ボールは――

ポストに当たった。

「あっ!」

チーコの声。

しかし跳ね返ったボールを、味方が押し込んだ。

ゴール。

二対一。

試合終了。

勝った。

選手たちが抱き合う。

悠斗は少し離れたところで、ゴールを決めた仲間の背中を押していた。

自分は決められなかった。

でも、チームは勝った。

試合後。

悠斗が六人のところへ来た。

「外しました」

最初の言葉だった。

「でも勝った」

チーコが言う。

「はい」

「悔しい?」

「めちゃくちゃ」

「じゃあ、まだ終わってないね」

悠斗は笑った。

「はい」

蒼井が聞く。

「神符は?」

「家に置いてきました」

「どうして」

悠斗は少し考えた。

「曽祖父の約束だから」

全員が黙った。

「俺は、俺の約束を作ります」

「何にするの?」

まゆみさんが聞く。

悠斗は笑った。

「まだ秘密です」